発現調節研究ユニット

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お知らせ:

発現調節研究ユニットは2018年度より研究室名がストレス適応研究ユニットに変わります。

研究概要

植物の非生物学的ストレス適応におけるホルモン制御機構および作物の生産性向上に向けたゲノム解析

地球の人口は急速に増加しており、特に開発途上国では食糧の安定供給が主要問題の1つである。さらに、近年の気候変化は、食糧生産の大きな負担になっている。干ばつ、塩害、土壌侵食および土壌汚染のような環境ストレスは、作物の生産量に悪影響を及ぼす要因で、安定的な農業生産を脅かしている。当ユニットの研究テーマは、(i)植物生長レギュレータの役割および非生物学ストレス応答との相互作用、(ii)環境ストレス条件下で作物の生産性を向上させることを目標とするトランスレーショナルゲノミクス、の2つである。

研究内容

  1. 乾燥、塩、重金属ストレス応答における、シグナル伝達分子の機構解明
  2. 乾燥ストレスおよびリン欠乏における窒素固定を制御するメカニズムの解明
  3. 劣悪な環境下における生産性向上を目的とした作物の機能ゲノミクス

研究成果

  1. 植物が乾燥に抵抗する戦略の一つとして、タイプ-Bレスポンスレギュレーターのダウンレギュレーションによりサイトカイニン情報伝達シグナルを抑制することを明らかにした。
  2. カドミウムストレス下のイネにおけるH2S誘導性保護メカニズムを見出した。
  3. 植物の非生物的ストレス適応におけるストリゴラクトンとカリキンの役割に新たな可能性を示した。
Fig. Model for stress mitigation through cytokinin signaling pathway.